東京の人口動態とオフィス空室率、港区メモ(2023/1時点)

東京都の転入超過、3年ぶり拡大 22年3.8万人: 日本経済新聞

>転入者が転出者を上回る「転入超過」は東京都は3万8023人と21年よりも3万2590人増え、3年ぶりに拡大

 

www.nikkei.com

>社会増の規模で21年に1位だった東京都は4位に下がったが、抜いたのは神奈川県と埼玉県、千葉県。東京を脱出した人の多くは首都圏の3県内にとどまっているようだ。

 

まあつまり、テレワークで言われた「地方移住」はあまり進まず、

 

「もう限界」移住失敗した男性の後悔 限界集落で起きた「うわさ話」(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

>地域おこし協力隊員だった男性(34)が「YouTube」に投稿した動画が300万回超再生されている。

 

というニュースもちょっと話題になったところ。

たぶん、コロナを通じて起こったのは郊外への人口移転、つまり、東京23区から神奈川県とか埼玉県とか、そういう動きはいくらかありつつも、地域をまたいだ移住は例外的な動きだと。まあ、テレワークも減ってきているし。

テレワーク実施率調査結果|東京都

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  1. 都内企業(従業員30人以上)のテレワーク実施率は54.1%。9月の前回調査(51.9%)に比べて2.2ポイント増加。
  2. テレワークを実施した社員の割合は42.8%と、前回(42.9%)に比べて、0.1ポイント減少。
  3. テレワークの実施回数は、週3日以上の実施が44.5%と、前回(48.4%)に比べて、3.9ポイント減少。

 

というので、テレワーク実施率は増えた。が、実施人数は横ばい、回数が減っていると。つまり、フルテレワーク(フルリモート)からハイブリッド(半分出社)、そこからフル出社になるところもあるが、東京全体ではリモートも残っていると。

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東京の人口は減らない。

しかし問題はあって、

2023年問題 供給量、森ビルが首位: 日本経済新聞

東京はオフィスビルの大量供給で需給バランスが崩れかねない「2023年問題」に直面している。不動産大手が港区や中央区などで相次ぎ超高層ビルを建設する計画で、空室率の上昇圧力は強まっている。

23年に330メートルと日本一の高さを誇る超高層ビルを中心とした「麻布台ヒルズ」(東京・港)が完成。虎ノ門ヒルズ駅直結の「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」(同)も開業する予定

 

という「2023年問題」というのがあるとか。

 

不動産「活況」の死角 迫るビル大量供給、変調の兆しは: 日本経済新聞

>一方でコロナ禍を機に、大企業では在宅勤務やリモートワークが急速に定着。NTTのように国内のどこでも自由に居住して勤務できる制度を導入する企業も出始めた。「オフィス不要論」は行き過ぎだとしても、大量供給に見合うだけの需要の伸びは見込みにくい。

 

まあ、リモートワークになれば、オフィスの席はいらないと。坪単価2万として、なんだかんだ1人3,4坪プラスアルファで10万くらいかかると。交通費も入れたらもっとか。

 

相対的に苦戦するのが品川駅周辺だ。数年前までは新幹線で出張に行きやすい地域として、製造業やIT(情報技術)関連など幅広い企業の人気を集めた。ただ、感染症問題で在宅勤務が広がると、一転してオフィス戦略の見直しで企業の解約や縮小が出やすいエリアと

 

とかなんとか。

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都心のオフィス空室率、12月6.47% 4カ月ぶり上昇: 日本経済新聞

>オフィスビル仲介大手の三鬼商事(東京・中央)が12日発表した2022年12月の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の平均空室率は6.47%と、前月に比べて0.09ポイント上昇した。

 

オフィスマーケット | 三鬼商事株式会社

 

地区別はなかなか衝撃的で、千代田区=丸の内はOK、渋谷区もかなり好調。

対して、中央区八重洲日本橋、港区=新橋、品川、六本木 は不調。

 

新築ビルの12月時点の空室率は28.56%、前月比0.09ポイント下げました。12月は竣工1年未満のビルに成約が進んだため、同空室率が低下しました。既存ビルの12月時点の空室率は6.21%、前月比0.11ポイント上げました。

 

空室率の変化より、賃料の変化のほうが衝撃的か。

つまり、渋谷区や千代田区中央区は横ばい(2.1万/坪)なのに対して、新宿区は微減、港区は1年前から5%減ってところ。

しかし、渋谷の賃料ってこんな高いのか、というのが驚きのところでもある。3年前は千代田区を上回っていたと。

 

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「港区」は国際新都心めざす 森ビルなど開発一段と: 日本経済新聞

>山手線の南東側、東京タワー周辺をオフィスや住宅の新たな集積地にすることで、国際都市として東京の競争力を高める。

 

>港区の特徴について、明治大学の市川宏雄名誉教授は「総合力の高い街だ」と指摘する。オフィスに強い千代田区や銀座など商業の印象がある中央区と比べ、港区はオフィスや住宅、商業、エンターテインメントなど幅広い分野に強みを持つと評価する。

 

>住宅価格の高騰で、その街に一般の市民より国内外の富裕層が集まる構図が生まれる。こうした状況が港区で強まっていることについて、明治大の市川氏は「東京の国際化がようやく進んできた証左と言える」と指摘する。東京に先駆けてニューヨークやロンドン、パリは都市部に世界の富裕層が多く住む街になっている。東京でも港区を中心に世界の流れが及び始めたようだ。

 

ほーん、という感じ。

ちょっと前だけどこういうのもあったか

https://www.fsa.go.jp/policy/financialcenter/index.html

>政府は、世界に開かれた国際金融センターとしての日本の地位を確立することを目指しています。日本の金融資本市場の魅力を向上させることで、海外の資産運用業者等の参入を促し、アジア、世界における国際金融センターとしての機能を高めていきます。

 令和2年12月8日には、「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」を閣議決定し、その中の施策の一つとして、「世界に開かれた国際金融センターの実現」が盛り込まれており、諸施策にオールジャパンで取り組んでいます。

 

というのでいくつか言えるが、

・東京圏全体では人が集まってきている、増えている。地方移住は例外的動き

・ただ、都心から郊外(神奈川とか)への流れというのはある、テレワークは普及しているので、郊外で広い家に住んで出社は週2とかに

・そのため、オフィス空室率は高止まりしている。テレワークは定着したと言える

 

ここまでは、わりと確度が高い考えだと思う。ここからは憶測というかメモで

・渋谷区オフィス人気が高いのは、アクセスの良さ+遊ぶ場の良さ

・品川駅、六本木駅とか、意外とアクセスが良くないので地盤沈下

・森ビルは、丸の内に代わって「ビジネスシティ」として港区を推すが、職住接近できるところは勝ちだろう。けど、一般労働者にとっては虎の門とかそんなアクセス良い場所でもないと。なので、麻布台もどうかな。逆に六本木が地盤沈下することになるかなとも

・まあ、オフィス空室率が高止まりの港区が「世界の富裕層」が集まる「国際金融都市」として躍進していくかというと、そこそここの先も続く。ただ、街の活気はあまりない感じかもね。いや、どうなるか。

・このあたり、麻布台+虎ノ門あたりの成否がわかる来年あたりにまた見てみるか

(話題にほぼ出なかったが、お台場のあたりも「港区」なのだが、オフィス街としてはもう微妙だと)

 

**追記

【2022年2月末時点】東京主要7区 オフィスビル空室率・平均募集賃料調査|三菱地所リアル 賃貸オフィス検索サイト

>晴海エリアの大型オフィスビル群である晴海トリトンスクエアオフィスタワー4棟(W棟、X棟、Y棟、Z棟)は、大型テナント退去後のリーシングに苦戦しており、合計で約1万3千坪を募集している状況です。

 

これオリンピックの大会委員会とかが入居してたやつかも? 今はどうなってるのだか