労働基準法の判例~ABCマートに罰金
ABCマート運営会社、違法残業で罰金50万円 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
「東京地検は2日、靴販売チェーン「ABCマート」の2店舗で社員4人に違法な残業をさせたとして、東京労働局に書類送検されていた運営会社「エービーシー・マート」(東京都渋谷区)を労働基準法違反で東京簡裁に略式起訴したと発表した。
略式起訴は1月14日で、地検によると、同社は既に罰金50万円を納付した。」
「社員2人に対し、法定の労働時間の上限(週40時間)を超え、超過分だけで計約209時間働かせ」
とのこと。残業200時間はひどいなあ。ただ、こういうのは稀で、
「労働基準法に違反しても刑罰が科せられることは非常に少ないのが実情で、労働基準法を守らない方が会社としては人件費が節約できるという悪い現実があるからです。さらに、上記の通り、残業代未払いの場合の罰則は「30万円以下の罰金」ですから、仮に刑罰が科されても30万円で済んでしまう(残業代を支給しない方が会社にとって経済的なメリットは大きい)ことも少なからず影響しています。」
とのこと。
案外、法律的に考えるなら今回のABCマートの事件は勉強になる。
・簡易裁判所の略式起訴・略式命令、というところ
・刑事罰(行政罰)としては罰金だが、民事での支払い請求を従業員側がやれば何百万だとかにはなると。逆に言うと、従業員側が泣き寝入りすれば終わり
・学問としてではなく、実際の法律の運用としては適用が少ないというところ
残業200時間で未払いというような悪質なケースだから起訴になったのだろうな。