「炎上」は「物議をかもす」の俗語表現になったのかも~林真理子「炎上」

 

 

 人気者ゆえに敵が多いのか、単に敵が多いのか林真理子が「炎上」と聞いての感想。

 

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 まあ、実を言うと最近忙しいのもあって、というかあまり興味もないのもあって、川崎のほうの少年殺人事件はあまり知らない。林真理子のエッセイも読んでない。

 フェミ案件に入れたのは、男フェミのライターが最初に批判記事を書いて、それに女性たちがフォロワーになって批判している、という構図だから、ということ。

 

 「炎上」と表現しているライターがいるが、ネットの炎上というと素人の愚行自慢・犯罪自慢や、ツイッターやブログなどのネットメディアで最終的には謝罪になる、というものだったと思う。最大のものは、深夜ラジオからJ-CASTが記事にして、CM降板などにもつながった倖田來未の「羊水腐る」発言だろう。

 あれこそ「炎上」という名にふさわしい。倖田に悪気はなく、もともと30過ぎて結婚するマネージャーさんに、早く子供作りな、という田舎だと新婚夫婦が冷やかされるようなことを言った、というだけだ。ただ、言い方がまずかった。イメージ悪化など、その後のダメージも大きい。

 

 今回のは、林真理子は確信犯だろう。「作家」「文化人」として30年以上やってきている林は、アグネス論争にしろ、デビュー時のバッシングにしろ、「半落ち」の直木賞選考でのバッシングにしろ、これくらい大して痛くもないだろうと思う。

 

 

上記はデビュー作。

いや、でもどうなんだろう。読者の支持という部分では、ちょっとわからない。本人は、80年代でも「保守的」と言われていた家族観の持ち主なので、特に変わることはないと思う。アグネス論争のときと、構図としては同じなのだ。(職場に赤ん坊を連れてくるアグネスに対して、いい加減にしろ、とエッセイで書いて、上野千鶴子が噛み付いたのが「アグネス論争」)

 

 ただまあ、今回、「フェミ」が共感を得るかどうかのラインとして、「シングルマザーが恋人を作って何が悪い」といった発言にあるかと思う。林氏は、子供のことを一番に考えろ、だ。たぶん、彼女は自分がそういう立場になったら実践するだろうと思う。別居中の女が、浮気していることを夫側に知られて親権を取られる、というような小説を確か書いていたかな。

 

追記:マスコミが「今これが若い女性の間でブームです」といったように「ブーム」を既成事実であるかのように表現するのと同様に、「今これが炎上している」と言うのは、「炎上」案件にさせたい側の仕掛けなのかな、とふと思った。

 「今これが若い女性の間で炎上してます」ってね。