若者を犠牲にしても神風は吹かないだろうとだけ~suicide bomb のカミカゼ報道

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パリで起きた同時多発テロ事件で、現地メディアが自爆テロ実行犯を「kamikaze」(カミカズ)=カミカゼの仏語風発音=と表現していることに、語源となった神風特攻隊の元隊員から憤りの声が上がっている。命をなげうち、祖国を守ろうとした特攻と、無辜(むこ)の民間人を犠牲にするテロを同一視するような報道に、元隊員は「国のために戦死した仲間は、テロリストとは全く異なる」と反発している。

 

suicide bomb ,suicide attack はなぜか「自爆テロ」と訳されていたりする。「自爆攻撃」とするとこも最近増えているが、旧日本軍の特攻がよく引き合いに出されて、最近のフランステロ事件についてもsuicide attack、その代表でもあるkamikazeが引き合いに出されて、という記事。

 

神風特別攻撃隊 - Wikipedia

 

 神風特攻隊にしろ、自爆攻撃にしろ、戦術的に有効かどうかは保留。要は爆弾を抱えて人間自らが移動、ということでメリットはあるにはあるのだろうが。あと、ヒューマニズム的な見地もとりあえずは保留。

 

 

 

 まあ、ヒューマニズム的な観点から言って、また、国際世論の支持を得るということでは、焼身自殺のほうが有効だろう。現代の戦争では、戦闘に勝てばいいわけではなく、国際世論の支持があるかどうかが重要で、イスラエルVSパレスチナを考えれば分かりやすい。

 明らかに戦力ではイスラエルが勝っているが、パレスチナは「負けない」と。

  アルバム写真は焼身自殺したベトナムの僧 。

 

 で、カミカゼ

 

 

 

 

  中古しかないが、遠距離射撃というのは嫌われる、という記述がある。自爆攻撃の対極にあるのが、ドローンなど無人機による射撃だろうが、ドローンの製作者は殺人に対して罪悪感を抱くだろうか? そのプログラマは良心の呵責に苛まれるだろうか、と。

 

 カミカゼ、自爆攻撃は、そういう意味では自らの死と引き換えに、相手の死を求める、というところに特徴がある。無人機爆撃とは対極で、死をもって死を求める、というところに、人の心を動揺させる何かがある。焼身自殺というのもやはり強い意味を持つと。

 

 最初の記事に求めて、カミカゼ特攻隊とイスラム国(ダーイシュ)の自爆攻撃を同一視するな、というのはわかるが、ISの自爆攻撃員も心境としては似たようなところなのだろう。

 

 まあ、とはいえ、戦術的に仮に有効であっても、自爆攻撃をするというのは戦略的に追い詰められた状況にある立場がやる戦術なのだろうと思う。それにまあ、若者を供物にしたとして、神風は吹かないだろう。元(蒙古)襲来という成功例はあったけど、神風はそれで吹いたりしないです。というか、あれは単なる偶然です。もしくは日本という島国の地政学的な優位性というだけ。

 

 なのでまあ、ISのカミカゼうんぬんは適当に受け流すのが吉、ということです。