ジュンク堂渋谷店「参院選まで闘う」騒動メモ~書泉グランデ嫌韓本騒動と相似形だろう

メモだけ

alfalfalfa.com

アルファルファは「勝手にSEALDsやって」と記事タイトルで誘導というか、印象操作。

ただ、
「ちなみに大月書店「民主主義ってこれだ!」は完売状態です。
本日のSEALDs街宣後に飛ぶように売れていきました。」

というツイートから、

「夏の参院選まではうちも闘うと決めましたので!」

という流れは、文脈を考えるなら、「うち」(=ジュンク堂渋谷店)はSEALDsを神輿とした左翼(護憲派反自民)を応援する、という発言なのは明らかだろう。この本です。


逆にリテラも別の意味で誘導的で印象操作をしている。

lite-ra.com

ジュンク堂「自由と民主主義」ブックフェアがネトウヨの攻撃で炎上しツイート削除」
と、タイトルが色々と強引過ぎる。
 ブックフェアが炎上した、というのはそうだとも言えるが、ツイート削除の主語が誰なのだか。まあ、色々と主語を曖昧にした書き方なのだ。まあ、「炎上」したのはブックフェアというより、ツイッターでの「発言」だろう。

「”書店員の表現”という観点からこのフェアを見た場合、第一に「偏向」とするのは事実認識としてもありえない。」
ここまでは別にいいと思う。SEALDsの本一冊目立つ場所に置くくらいで偏向扱いは過剰反応とも言える。ただ、問題は「フェア」ではなく、ツイッターの書店アカウント(非公式)がSEALDs本を「飛ぶように売れました」と宣伝して、「共闘」を発言していることだろう。
 
「また、仮に公の利益の損失をまねくことを「反日」と呼ぶのだとすれば、社会の合意形成に不可欠な議論の契機を封殺するまねをするネトウヨのほうこそ、まさに「反日」というほかないだろう。」
ここは微妙。独自の定義を持ち出して「ネトウヨ」を非難しているというくらい。

「そういう意味では「ジュンク堂渋谷非公式」アカウントが削除されたことはメディアとしてふさわしい行為だったとは言えない。」

 結論部分だが、フェアについてなのか、ツイートについてなのか曖昧。「書店の実店舗がメディアとして機能した好例」と後に書いてあるが、「メディア」(書店)としてふさわしい、ふさわしくないと言っても、ジュンク堂という会社本体ではなく、そこの従業員がやったフェアと、ツイッターでの全世界への発信、というところだから、色々と曖昧。

 まあつまり、ジュンク堂渋谷店は「偏向」ではないし、ネトウヨはそもそも反社会的な存在なのだから、アカウントを削除する必要はなかった、ということが言いたいのだろうが、

「なぜなら、彼らが「闘う」と表現したのは、こうした“お上の方針に有無を言わせない社会の空気”に対してでもあったはずだからだ。」

 としているのは、ちょっと苦しい。SEALDs本を「飛ぶように売れました」と宣伝した後に「参院選まで闘う」と言うのはもう一つの立場を表明しているとしか言えないだろう。

 あとはまあ、売上高700億超の株式会社丸善ジュンク堂と、書店(ジュンク堂渋谷店)と、その中の1フェアと、色々と混合している、というとこか。

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gensen2ch.com

似たような騒動は前にもあって、嫌韓本のPRをして炎上、不買運動を受ける、というのもあると。

あとは、これかな。渋谷はちゃんとした書店がないのかしら。

y-cybernetics.hateblo.jp


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まあ、書店がどんな本を置こうと、コーナーを作ろうと、フェアをやろうと自由ですよね。問題はツイッターでの発言なわけで。

ちなみに、ジュンク堂渋谷店には1度行ったことがあるが、この人のコーナーをやってるのがとても気になった。


ちなみに、もう撤去されたみたいだ。blog.esuteru.com

コンプライアンス違反で調査と本社の声明。まあ、私的な立場と従業員としての立場を混合しているか。

MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店における一部のツイート及びフェアについて|新着情報詳細 |丸善&ジュンク堂ネットストア

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相似形だという印象は当たってると思うが、ちょっと整理。

書泉グランデは、公式のツイッター桜井誠のこの本を宣伝。しかしずいぶん昔に感じる。
・それが、左翼の「カウンター」の運動家に叩かれて、謝罪。あとは、不買運動も呼びかけられた、と。
・それに対して、不買運動などは言論弾圧じゃないか? というような右派の批判もあったと。

・今回は、ジュンク堂渋谷店が非公式のツイッターで、SEALDs本を宣伝。かつ、「参院選まで闘う」と宣言。
・それが、ネットの右翼に叩かれて、本社が謝罪。フェア中止。不買運動というか、不買宣言などはあったと。
・それに対して、ネトウヨのクレームでフェア中止は、表現の自由が萎縮してしまうなど左派の批判があると。

 こう書くと似てる気もするが、書泉グランデ桜井誠在特会)を応援するとも共闘するとも言ってない。まあ、宣伝しているのだから、そう取られるのはしょうがないか。揚げ足取りな気もするが。ジュンク堂は「共闘」だから、もうちょと明確だ。やっぱり似てはいるか。

 違いは、SEALDsという反安倍・反自民の政権批判の左翼団体の本か、在特会という嫌中韓の「差別団体」とされてる団体の本か、ってところか。未読だが、在特会の本の結論としては、「中韓から距離を置いて、他のアジアの国と仲良くしていこう」といったものらしいが、そのあたりは今の日本人のメンタリティにある程度は合致しているだろうと思う。左派は「ヘイト本」だと批判しているが、「反日国家」韓国について分析したエッセイってところだろう。案外、在日朝鮮人・韓国人については書かれていないみたいだ。
 左派としては、嫌韓本はヘイトスピーチだから不買運動は正しい、正義だ、ということになるが、まあ人種差別・民族差別はともかく、他国の批判自体は別に正当だろうが、まあいいか。
 右派からすれば、SEALDsは共産党青年部みたいなものらしいので、まあ日本の左派運動は過激なので警戒は必要ではあるが、そのあたりはよくわからない。

 「ネトウヨのクレーム」というのが、どうも自分的にはスッキリしないところだったみたいだ。実際、電話等がジュンク堂にあったということらしいが、「フェアをやめろ」というようなツイッターを見てないので、ジュンク堂側の過剰反応なんじゃないか、という感じもしなくもない。上場企業の判断として、「参院選まで闘う」という文言が流れた後にもSEALDs本を目立つとこに置き続けるのは、まずいと考えるのはそうか。共産党指示と見なされるのはさすがにまずい、と。 ※あとまあ、リテラはあまり信用度の高いメディアとも思わない。

lite-ra.com

 リテラの人は書泉グランデジュンク堂の件は別だと言っているが、恐喝やクレームで特定の本を置かないように迫っていた「しばき隊」のほうが悪質な気もする。「ヘイト本」とレッテルを貼っているが、そこの定義はよくわからないし、逆に、右派からすればSEALDsは共産党の支部だから危険思想、という見方もある。繰り返しになるが、韓国批判の本自体は何の問題もない。外交も含め、政治について発言するというのは重要な表現の自由であるから、他国について肯定的・否定的問わず発言する自由というのはある。ただ、在日韓国人差別となる内容については問題だろう。(まあ、韓国批判と在日韓国人批判はもちろん繋がっているわけだが)

 個人的には差別的な内容の本であれ、反民主主義的・反社会的な内容の本であれ出版は自由であるべきとは思う。民主主義に反するような思想であれ、それを認めるのが民主主義だと考えるからだ。左派が「在特会の本」が公に認められる(出版はpublishの訳語だが、publicに出すのがpublishなわけで)のを妨害しよう、という運動もわからないでもないが、まあ、今回の件に戻るとして、騒いでるのは左派だけで、彼らにとっての仮想的の「ネトウヨ」なるものがどれだけいて、どれだけの影響力を持ってるのかな、というのがちょっと疑問に思ったのが、書泉グランデとの違いか。

 まとめると、書泉グランデの「大嫌韓時代」宣伝に批判、不買運動、という流れは登場人物がわかりやすかった。在特会などの右派、しばき隊などの左派、と。書泉が右派に肩入れしてるんじゃないかと左派から非難が殺到、と。それで謝罪して火消し。
 対して、ジュンク堂の「参院選まで闘う」は、SEALDsなど左派、これは分かりやすいとして、右派の「ネトウヨ」なるものが曖昧だ。本当にいるのかどうかもわからない。まあ、電話なりツイッターなりでいるにはいるのだろうが、どうなんだろう。
 2chのまとめなどを見るに、「フェアをやめろ」というような攻撃はなく、「ジュンク堂共産党支持か。行くのやめるわ」といった、蔑みというか、揶揄する声が大きいと思う。

 それで、企業イメージの悪化を嫌った上場企業の丸善ジュンク堂は、SEALDs(≒共産党)支持と見なされたくないがためにフェアを一時休止した、というところだろう。つまり、「ネトウヨの攻撃」というのがどれだけあったのか、というところが曖昧なのだ。

 もちろん左派としては、仮想的である「ネトウヨ」には、どんどん悪行を重ねてもらったほうが都合がいいが、実際のところは、揶揄するようなコメントが多数で、直接的な「攻撃」の数はそんなになかったんじゃないかとも思う。「政治的に偏向した書店では買いたくありません」というような間接的な攻撃がせいぜい。
 このあたり、実態の曖昧な「ネトウヨ」について自分があまり知らないというのもあるが、左派の主張する「ネトウヨのクレームでフェア中止」というのは、実は実態に合ってない可能性もあると思う。「ネトウヨ」に限らず、遠巻きに揶揄する人が沢山いて、SEALDs(共産党)支持と見なされたくないジュンク堂本社が火消しを図ったとうところ。

 それに対して、「がっかりしました。もうジュンク堂では買いません」と左派がつぶやいていたりするが、彼らは「ネトウヨのクレームに屈した」というストーリーを信じすぎだと思う。まあ、クレームはあったのだとしても、「参院選まで闘います」というツイートに正当性はない、という上場企業の判断、というのが実際のところだと思う。で、バランスを取るためにフェアは一時中断、と。
 そのあたり、書泉グランデの「クレームに屈した」「謝罪」とは、ちょっと違うのかなとも思う。あっちは具体的な不買運動まで出たのだし、クレーム自体が正当か不当かは別として、クレーム(脅し)の声に謝罪したと。ジュンク堂のほうは、クレーム(脅し)の声の大きさではなく、「反自民」をやるのはまずいと自己判断で謝罪した、と。

 まあでも、左派からすれば、それも「ネトウヨ」(≒自民党)の声が大きいから、ということになるのかもしれないが、SEALDs(≒共産党)支持と見なされるのはマズイ、という企業判断だったのだろうと思う。

 自民の強引さ(左翼の表現で言えば「暴走」)もきな臭いが、過激化していく左派についても胡散臭い、そんな時代で、政治にはうんざりって人も増えているのだろうな。

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さっきの表現を修正すると、

書泉グランデは、公式のツイッター在特会桜井誠)の本を宣伝。
・それが、左翼の「カウンター」の運動家に叩かれて、謝罪。不買運動も呼びかけられた、と。
・それに対して、不買運動などは言論弾圧じゃないか? というような右派の批判もあったと。

・今回は、ジュンク堂渋谷店が非公式のツイッターで、SEALDs本を宣伝。かつ、「参院選まで闘う」と宣言。
・それが、ネットの右翼に叩かれて、本社が謝罪。フェア中止。不買運動というか、不買宣言などはあったと。
 → ネトウヨが叩いたから、というより、ネットイナゴたちの騒動になっているのを見た本部がSEALDs(≒共産党)支持と見なされるのを回避するために謝罪で中立宣言、フェア等を中止(だと思う)

・それに対して、ネトウヨのクレームでフェア中止は、表現の自由が萎縮してしまうなど左派の批判があると。
 → 「ネトウヨのクレームでフェア中止」というストーリーは実態に合っているか不明。むしろ、今回の騒動では、左派の声のほうが圧倒的に大きい。
 また、ネトウヨの定義が謎。SEALDsを揶揄する層、というのは左派の敵であるという点で「ネトウヨ」扱いになるのか? ネットイナゴネトウヨ、とは限らない。案外、サイレントマジョリティとしてSEALDs(≒共産党護憲派)を嫌う人というのは多いんじゃないかと思う。つまり、「ネット右翼」の問題というよりも、SEALDs(共産党護憲派)嫌い、という問題なのだ。自民党の支持率は回復してきているし、年配層なら新左翼の過激な運動なども知っているだろう。永田洋子だとか。


 なのでまあ、具体的に誰が「クレーム」を入れたのかもわかりづらいし、冷笑的に「従業員の暴走だろ」くらいのスタンスの人も多いという点で、スッキリしないし、左派もいまいち支持されないって感じなのかなと思う。繰り返しになるが、クレームの声の大きさよりも、上場企業として特定のイデオロギーを支持することへの正当性が無いがゆえに、謝罪、フェア中止、ということになったのだと思う。何でもかんでもネトウヨのせいにするんじゃなくて、護憲派など左派がなぜ支持されないのか、そのあたりもちょっと考えないといけないかも。