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あんまり行政の私生活への介入もな、とだけ~強制退去前日に長女殺害の事件

www.asahi.com

「千葉県銚子市で長女(当時13)を殺害したとして、殺人罪などに問われた松谷美花被告(44)に、千葉地裁は12日、懲役7年(求刑懲役14年)を言い渡した。生活に困って家賃を滞納し、県営住宅明け渡しの強制執行日に起きた事件。」

 

「被告は中学2年だった可純さんとの2人暮らし。給食センターでパートとして働き、児童扶養手当などを合わせても、月の収入はおおむね11万~14万円。時期によって極端に少ない月もあった。」

 

毎日の記事だと、

「月1万2800円の家賃の滞納が約2年間続いたため、県が住宅明け渡し訴訟で勝訴、事件当日は立ち退き期限だった。」

「可純さんの中学入学直前の13年春、制服や体操着を買うためにヤミ金から7万円を借り、少なくとも5業者から違法な高金利で返済を強いられた。国民健康保険料も滞納した。パートの時給は850円、月給は4万〜8万円。ただ、事件を起こした14年9月は夏休み明けだったためゼロだった。」

mainichi.jp

 

 朝日と毎日で、月収の額が数万違うが、まあパートの時給850円で、60~120時間くらい(4~10万)に扶養手当が4万強で、というところか。で、家賃が月1万2800円。

 

 可哀想な事件だと思うのだけど、行政に責任を求めるのもどうなんだろうな、ってのは思う。

 

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 厚生労働省あたりが出してる社会福祉についての考えだと、

1.自助(自立)

2.共助

3.公助

 となっている。自助というのはそのまま、自分で自分の食い扶持は稼いで、ということ。自助自立している人、というのは別に普通。自分だけでなく家族まで養う人、というのも普通。

 2の共助というのは、自分の収入では自分の生活をまかなえないが、周りに助けてもらっている、という人のこと。子供はそういう存在であるのが一つと、ニートなりひきこもりなり、専業主婦は入れるかどうか微妙だが、引退後の人なり、まあ、家族なりに面倒を見てもらっている人ということ。

 3は生活保護なり、福祉に頼って生きていくしかない人ということ。

 

 今回の事件の人は、結局、1の自助自立で子供を育ててて行くのは難しい人だったということなのだろう。ヤミ金に手を出したりと、まあ金銭感覚なり経済観念なりが駄目。

 朝日によると月の収入が11~14万で家賃が1.3万なのだから、頑張れば貯金だって出来るはず! 借金も返せる! と節約好きなら考えるかもしれないが、そういう能力がないから更に借金するわけで。というか元夫も駄目駄目だが、うーん、まあ、金を稼ぐ能力と使う能力(使いすぎない能力)のバランスというか、経済感覚がないということか。お金にだらしないと。

 

 で、

「実家の土地を無断で借金の担保にしたため両親とは絶縁状態だった。」

 とあるが、それで2の共助も望めなかったと。3の公助を受けようと、生活保護の申請をするも断られた、でこういう不幸なことになったと。

 

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 どうしても新聞記事は、「貧困」関係ということで記事を構成しようとするが、これは貧困が原因なのか。

 まあ、貧困の定義も広いものなので、そうだと言ってもいいのだが、貧すれば鈍するということで、貧乏だから判断力がなくなるのか、判断力が足りないから貧乏になるのか、そこは悪循環があって貧乏なわけで、それを貧困と呼ぶならそれは間違いではないのだが、ちょっとそこにばかり話が向かうのは議論が狭くなってしまう。

 あと、事件は2014年9月だが2012年にヤミ金に手を出したのが生活の破綻の原因ぽいので、アベノミクスうんぬんと結びつけるのは短絡的だろう。結びつける人がいたらの話だが。

 

 まあ、何だろう。不幸な事件というのはそうなのだが、じゃあ、銚子市なり千葉県なりがなんらかの対応をすべきだった、という議論になると、対策を取ろうという話になってくるだろう。

 それこそ母子家庭に対しては、市の人間が聞き取り調査を毎月やるために訪問するとか、学校側から経済状況を聞いてくるとか。あるいは、マイナンバーを使って、生活状況の調査をしてくるとか。

 

 「「困窮者は貧困から抜け出すために必要な情報を得る手立てを持てない。だからこそ行政側が積極的な情報提供やアドバイスをする必要がある」と語った。」

 という大学教授。基本的には正しいと思うし、

「事件を受け、千葉県は県営住宅の明け渡し訴訟を起こした場合は、福祉担当者や民生委員が対象者を訪ねて家賃を滞納している理由などを聞き取るよう関係市町村に要請する対策を取った。」

銚子市国民健康保険の未納情報を生活保護担当者が把握できるようにし、支援の手から漏れた人がいないか確認しているという。」

 という対策が出てくるのも、まあ世の中的にそうだろうなとは思う。基本的にはそんなに間違ってはいないだろう。

 

 ただ、マイナンバーでこのあたりは全部紐付けるようになって、この人は給与所得がいくらで、児童扶養手当がいくらで、収入はこれだけある。県営住宅と公共料金、健康保険などの支出がこうで、そのうち滞納しているのがこれだけある、というのが簡単に把握できるようになるはず。

 プログラマなので、こういうようなシステムは作ったことはあるのだが、一定の「危ない」条件に当てはまるケースに対して、何かアクションを取る、ということになるのか。こういった「貧困」のケースだと、まあ、もう放っておいてくれないということになるのじゃないかと思う。監視社会ということか。

 

 ちょっとまとまらないが、私生活に対して、どんどん行政が介入してくるようになるのだろうなー、という印象。これをきっかけにそういうことになる、というか、そういう主張をする人は出てくるだろうな、という印象。