壊れやすいヒューマノイドにこだわる必要はない~ソフトバンクのロボット運用費2.5万


SBペッパー 運用費月2.5万円(2015年2月20日(金)掲載) - Yahoo!ニュース

 

 街中にSuicaで買えるジュースの自販機がある。仕組みとしては、自販機の中にFoma回線だかで通信機能があり、ICカードをタッチするとSuicaのサーバと通信して、そのカードの残高を確認。購入するときには、購入金額をサーバに送信する、というところ。

 あくまでも憶測だが、他にどう実装するかわからないし、似たようなシステムは作ったことがあるので、たぶんそうだろうと思う。

 

 ソフトバンクがペッパーを販売することになったが、運用費が2.5万ということだ。イニシャルが20万を切るのはインパクトがあったが、ランニングコストがそこまでかかるのは、ちょっときつい。一部の物好きしか買わないだろう。数百台、数千台のレベル。

 

 逆に言えば、一部のもの好きにしか売る気がないということなのかもしれない。スプリント買収後の進展が今ひとつで、国内の業績もそんなによくないので絞ったということか。孫さん。

 

 で、本題。お掃除ロボットのルンバは運用費用にいくらかかるか? もちろん、買えばそれでランニングコストはかからない。電気代と、故障したときの費用くらいだ。

 ペッパーは、ケータイと同じようにランニングに金がかかる商品になったわけだ。無料で手にしても、月々うん千円~うん万円かかるケータイと同じ、と。

 

 ランニングに費用がかかるのは、Suicaを使える自販機のように通信機能があり、そのコストがかかるのが一つだ。

 自販機がせいぜい金額のやりとりだけなのに対して、ペッパーはよくわからないが色々な情報をやりとりするらしい。ケータイ代がそうであるように、通信のデータ量が多いほど、料金は上がる。ペッパーの月2.5万、うち、ハードウェア的な部分の保守費用1万を除いた1.5万が「運用」費用というのは、スマホの料金を考えるなら(月8000円とか?)、高額ではあるが、法外というほどでもないのかもしれない。

 

 仮に、そこの通信を切って利用となるとどうなるのだか。ハードウェア、機械的な保守のみを求めるとして、そうなるとペッパーはアイボと変わらなくなる。いくらか表現力(音声を発する、モニタで人を認識する)があっても、スタンドアロン(ネット接続なし)のロボットというのは、同じことしかできない。音に反応して動くおもちゃがあるが、それと大差はないのだ。

 

 現在、ペッパーは、ルンバより役に立たない。手振り身振りで話すことはできるが、皿すら持てないくらい、その「手」「腕」は飾りでしかない。

 

 じゃあ、皿を持てるくらいにして、ロボットに命じれば台所に行ってコーヒーを入れて戻ってくる、というようなSF的には古臭いくらいの情景を実現しようとなると? 保守費用が2.5万で済むのか。イニシャルの購入費用がいくらかかるのか?

 

 なんとなくだが、今回のニュースのうち、ネットワークなりソフトウェアの部分で1.5万というのは通信速度や色々の進化で改善することはあっても、ハードウェアの保守で1万かかるという部分では、そこが減ることはないんじゃないかと思った。台所に行ってコーヒーを持ってくるようにロボットに言って? コーヒーがこぼれてロボットが壊れたら? だったら時給1000円で家政婦雇えば、ということになる。実用品というより、趣味の商品なのだ。

 

 まとまらないが、現状のペッパーは、手も足も表現するだけのもので、人間の手足のように何かを持つことはできない。一見ヒューマノイドだが、実際には何もできない。

 だったら、そんなヒューマノイド(人間型)にこだわってロボットを作るよりも、ルンバのように非ヒューマノイドで使えるロボットを作っていったほうがいいんじゃないか? 手や腕など、細かい部位を作れば作るほど壊れやすくなるし、保守費用もかさむ。無理に人間型(ヒューマノイド)にこだわる必要なんてないと思う。

 

 今回の、月2.5万というのを聞いて、ヒューマノイド(人間型)のロボットが普及することは、少なくとも10年、一般的に2,30年くらいはないだろうと思った。ただのおもちゃだね。