反男性差別としてのマスキュリズムの萌芽(試論)
女は「ガラスの天井」、男は「ガラスの地下室」:日経ビジネスオンライン
ようやくこういう人が出てきたか、というところ。
本はこれ、
イマイチ日本のフェミニズムが支持されない理由の一つに、じゃあ男性は楽なのか、という反発があると思う。以上、紹介。以下、雑文。
おんなの時代:子供がいる20〜30代の半数「生きづらい」 - 毎日新聞
「毎日新聞横浜支局が県内在住の女性440人に「女性にとって生きやすいですか」と質問したところ、子どもがいる20〜39歳の48%が「生きづらい」と答え、全体平均の33%を大きく上回った。」
「理由として、「仕事と育児の両立を求められることに息苦しさを感じる」という趣旨の回答が目立った。」
この記事自体は別に良い。「「仕事も家事も育児も」とか無理」(主婦)という声があると。
ただ、同時に「イクメン」うんぬんのを称揚する記事が出ていると。まあ、最近は「「仕事も家事も育児も」とか無理」BY会社員男性、という声も出始めているが。
仕事と育児の両立は「無理ゲー」? 息切れするイクメン 〈AERA〉|dot.ドット 朝日新聞出版
「イクメン」はどうやってつくられる? : 大手小町 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
(3)イクメンは理想の男なのか…男性学者・田中俊之さん : 大手小町 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
まとめてみると、
・かつては「亭主元気で留守が良い」というように、高収入で家にいない夫が良かった。(夫:会社員、妻:専業主婦)
・今は、高収入で「イクメン」でもある夫が理想。(男性の婚姻率と収入は相関関係にある)
・現実は、男性の平均年収は下がってきているのでパートに出ている人や、フルタイムで働く人も多い。外で働きたいという女性もいる。(夫:会社員、妻:パート、会社員)
・その中で、「公平分担」ということで、男性への家事・育児参加を求める動きというのが「イクメン」ということ。(厚労省からの動き)
・ただ、実際は男性フルタイム(残業あり)と女性パート・フルタイム(残業なし)では、通勤含めて労働時間の差はあり、男性のほうが労働負荷は大きい。(年間労働時間は男性:2000時間、女性1500時間ほど、過去記事参照
時給換算で1.5倍くらい? 男女の賃金格差は縮まりつつある(試論) - フィードバックループの外へ
)
・例外的、というほどでもないが、女性のほうが収入が多いカップルも少数ながら出てきてる。ほぼ同じというのもある。
・ただ、そういう場合は公平分担も妥当にしろ、
「ゲストの男性が「パートで100万ぐらいのお金を稼いでいる奥さんが、その何倍かの年収のある夫に、『家事や育児を半分やってほしい』というのは無理がある」とおっしゃっていました。」
という「イクメン」の意見もある、と。
・ちょっとまとまらないが、家計と家事の分担というところで、家計:夫10割、家事:妻10割
というのが以前モデルだったが、
家計:夫5割、妻5割、家事:夫1割、妻9割
というのは不公平だと、
家計:夫5割、妻5割、家事:夫5割、妻5割
にするカップルも出てきたと。男性側の平等意識から出たものなのか、女性側の要求からなのか。
(まあ、今でもそれに近い状況の夫婦もいるのだろう。)
実際のところ、
家計:夫8割、妻2割、家事:夫2割、妻8割
くらいが多いのかなと思う。(夫400万、妻100万、夫掃除とゴミだし、妻炊事洗濯、買い物は両方)
家計:夫8割、妻2割、家事:夫5割、妻5割
というのは、「ブラック妻」だとか。まあ、色々な家庭の姿があればいいと思うけど。
毎日の記事に戻ると、じゃあ男性のアンケートもやれよって話。そうでないと問題提起としては弱いし、ただのガス抜きにしかならないんじゃないの、と。
案外この辺については、「左寄り」とされる毎日よりも、「右寄り」とされる読売のほうが、「進んでいる」のかもしれないな。