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居場所がない?でんぱ組が渋谷109でも案外違和感ない~アキバとシブヤもボーダレスな時代だと再確認だが、容姿というパスポートは必須

読書・書評 音楽 非モテ・非リア・コミュ障・発達障害


でんぱ組.inc、SHIBUYA109の初売りバーゲンを盛り上げる - 音楽ナタリー

 

 昨日(1/2)、表参道に行って、そのまま渋谷までぶらついてきたのだが、109にキャンペーンの巨大ポスター?が貼ってあった。普段の109の建物の正面に、上の画像が貼り付けてあるイメージ。

 

 誰なのかわからずスルーしたのだが(109で買い物なんてしないので)、写真を撮っている人も何人かいて、帰りの電車でググったら上の記事に行き当たった。でんぱ組.incがキャンペーンのキャラクターに起用ということだ。

 

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 「でんぱ組.inc」は秋葉原のディアステージというライブハウス(バー)出身のアイドルグループで、「萌えキュンソングを世界にお届け!」といったテンションの、本来は秋葉原あたりにいる男向けのアイドルグループだ。ちなみにディアステージ経営者の「喪服ちゃん」は下のような本を出している。

 

日本の若者は不幸じゃない (ソフトバンク新書)

日本の若者は不幸じゃない (ソフトバンク新書)

 

  

 でんぱ組の代表曲の一つ。私小説っぽい。

 


【生きる場所なんてどこにもなかった】でんぱ組.inc「W.W.D」Full ver. - YouTube

 

 ひきこもりで、ゲームばっかりやっていて「生きる場所なんてどこにもなかった」けど、今は仲間がいる~、といったストーリー仕立てになっている。第二弾として、仲間との不和や自身の葛藤を表現した曲もある。


でんぱ組.inc「WWD Ⅱ」MV【マイナスからのスタート、やっぱキツい!?】 - YouTube

 

 まあ、「マイナスからのスタート」と言ってみたところで、そこそこ恵まれた容姿を持っているわけだし、オタク趣味自体がここまでメジャーになると「ゲームばかりやってた」というのを許容する人も多いわけで、ネガティブな符号にどれだけの真実性があるのかは謎だが。「体育会系」なももクロや、バラエティ路線の強いAKBとも違い、何らかの層をすくったというのもあってか、人気なのだろう。

 とはいえ、大人も子供も大好きな「きゃりーぱみゅぱみゅ」あたりと違って(本人は、かわいいだけでなく毒もある、と主張しているが微量だろう)、拒否する層というのも結構いるので、メジャーになりきれないだろうとは思う。

 

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 考えてみれば、刹那的な90年代~2000年代前半の感覚を代表する、かつ、渋谷の109、センター街あたりに似合う歌手としては、浜崎あゆみがいるが(広告も散々起用されてきただろう)、あゆも「居場所がない」というテーマの歌は数多く出している。


浜崎あゆみ / A Song for XX - YouTube

 

 代表曲の一つの「A Song for XX」。居場所がなかった、と。

 

 刹那的な感覚がカッコいいとされた90年代~2000年代前半であれ、オタク文化がメジャーになった現代であれ、家族や友達と仲良く過ごす層というのがメジャーで「リア充」なのだと思うが、浜崎あゆみが渋谷の風景だったころであれば「居場所」を求めて渋谷に来ていたのが、今はネット空間、ゲームなりの仮想の物語世界に「居場所」を求めるという風になっている、と。表現しようという若い女性や、先端的な層の話ね。

 でんぱ組はファッション誌にも出るようにして、メジャー路線というよりサブカル路線で売ってきているので、今回の起用もそういったところから来ているというのもあるわけだが、

 浜崎あゆみとの共通点として、「居場所がない」≒今の生活では充足できない、迫害される。だから、別の場所へ行くため、新しい自分になるため、服を買うと。そういう消費の喚起のアイコンとして使われるというのは、まあ、オタク文化の一つの「コスプレ文化」と、浜崎あゆみ(≒「ギャル文化」)との類似性が接近して、ボーダレスになってきたということなのかなと。まあ、そんなことを「でんぱ組.inc」の渋谷109広告での起用を見て考えた。

 

 まとめてみると、

浜崎あゆみ=ギャル文化、家庭や学校からストリートカルチャーへの脱出

でんぱ組.inc=オタク文化(≒コスプレ文化)への逃避(脱出)

 

になるが、ギャル文化≒コスプレ文化とも言えるので(ファッションはつまりはコスプレです)、居場所を求めて服を買う、というところでは、あゆの代わりにでんぱ組が起用されても、違和感がないのだな、というところ。

 

 ただし、メンバーの「最上もが」がポスターでは一番大きい扱いで、他のメンバーの写真はだんだん小さくなっているように、「容姿」というパスポートがなければ、秋葉原と渋谷がボーダレスな時代であっても自由に行き来することはできない。そのあたりは残酷な現実だなあ、とも思った。

 

居場所もなかった (講談社文庫)

居場所もなかった (講談社文庫)

 

 こっちは90年代難解系純文学の代表的な一冊。