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男女賃金差別裁判の行方~厚労省と中国電力。「女性だから」を言い訳できない世の中

フェミ案件


「厚労省が女性を昇格差別」 現役女性係長、国を提訴:朝日新聞デジタル

ちょっと古い記事だが、

女性であることを理由に昇格差別を受けたとして、国に謝罪と約670万円の損害賠償を求める訴訟」

について。

1988年に国家公務員2種採用試験に合格し、翌年入省。96年に係長になったが、その後、18年間昇格していない。一方、同じ2種試験で採用された同期の男性職員のほとんどは課長補佐級以上になっているとしている。

ということだが、「男性職員のほとんどは」とあるように、昇格していない男性もいると。なので、「女性だから」昇給させないのか、能力がないから昇給させないのか判断が微妙な案件だ。このニュースは、言葉通り「賛否両論」で、ネットでは応援もあれば批判もある、というところだった。

 

で、なぜか行き着いたのが中国電力の裁判。


中国電力男女差別裁判の広島高裁判決について|社会の片隅から

中国電力男女賃金差別裁判原告敗訴判決の持つ意味 : 嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

中国電力男女賃金差別裁判控訴審判決NO1 : 嶋川センセの知っ得社会科ー女性のためのお仕事相談室ー

中国電力(本社・広島市)の女性社員(50)が、昇格・昇進に男女差別があったとして、同社を相手取り、差額賃金など2468万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が18日、広島高裁であった。宇田川基裁判長は、女性のほとんどの賃金が男性より低額なのは認めたものの「人事評価に女性差別が存在した事実は認められない」として、1審・広島地裁判決に続き、原告の訴えを退けた。

 

他ブログの孫引きだが、まあ高裁で敗訴して、現在は最高裁で争っているとのこと。

 

「原告は「正確・迅速な業務処理をおこない、仕事への信頼度は高いと評価されている反面、毎年、自説に固執し、自分本位で他人の意見を聞かないと評価され、指導を要するものとされていた」から、原告を「昇進させなかったことは、被控訴人[=中国電力]の人事権の裁量の範囲内」」

 というのと、原告よりも出世していて「男性並」に昇給・昇進している他の女性もいる、というので、「男女差別」ではない、というのが現状の裁判所の判断となっている。

 当然、「フェミ」の人であれば憤るし、ブログについてもそういった人しか取り上げないのだけれども、一昔前の「男女賃金差別裁判」とは様相が変わってきたのだな、というのが自分の感想。「自分本位で他人の意見を聞かないと評価され」というのをフェミの人は「意見を言えない会社に問題がある」と主張するが、まあ、マネジメントには向かないだろうメンドクサイひとっていますよね。

 

大阪法律事務所 弁護士の事件簿 住友金属男女差別裁判、歴史的勝利解決の報告

10年くらい前の裁判。

大阪地方裁判所の原判決は、住友金属が、従業員に知らせないまま、事務職の従業員を5段階に分けた「闇の人事制度」に基づいて能力評価、昇給・昇進について差別的取扱いを行い、昇進・賃金の著しい男女格差を発生させたと認定した。この「闇の人事制度」は、事務職の従業員を「イ=大卒男性」「ロ=高卒男性」「ハ=職掌転換者(技能職から事務職に転換した男性)BH」「ニ=職掌転換者LC」「ホ=女性」に区分し、女性を最低処遇の「ホ」に位置づけるものである。原判決は、この差別的取扱いは、性別のみによる不合理な差別的取扱いとして違法なものであると断じた。」

住友金属は、地裁判決を上回る合計7600万円の解決金の支払と、今後、在籍中の原告3名を含む女性労働者の処遇について十分な配慮を行っていくことを約束しました。」

 

 という和解の結果になった。これなんかは、「女性だから」昇進・昇給がない、というのが明確になっていたので、裁判の結果もわかりやすいものだった。

 でも、中国電力厚労省のは、どうもね。応援しよう、という気になる人がどれだけいるのだろうか。「女性だから」出世できないのではなく、仕事ができないから、マネジメントに不向きだから出世できないのだとしたら? 現に、中国電力では原告の人より出世している「女性」もいるわけで。

 

なので、こういった男女賃金差別裁判については、もう盛り上がることはないのだろうな、と思った。1.5倍程度は、男女で賃金格差はあるわけだけど、それも勤続年数など考えれば妥当なんでしょうかね。

 

時給換算で1.5倍くらい? 男女の賃金格差は縮まりつつある(試論) - フィードバックループの外へ